Pay the Devil in Bitcoin: The Creation of a Cryptocurrency and How Half a Billion Dollars of It Vanished from Japan (Kindle Single) (Japanese Edition)

「ビットコイン」はインターネット上で取引される暗号通貨。その誕生から急拡大、凋落、再興までを約2年間にわたって取材した出色のノンフィクション。

2014年2月、世界初の大規模なビットコイン取引所だったマウントゴックスが経営破綻した。原因はシステムの不正操作とされ、およそ65万ビットコイン、当時の評価額で約3億5000万ドルが〝消えた〟。事件には日本が大きな関わりをもっている。日本はかつてビットコイン界の中心地だった。日本人と推測される「サトシ・ナカモト」の発案で生まれ、マウントゴックスが本社を置き、やがて世界の金融システムを揺るがす震源地となったのだ。

マウントゴックスのCEOマルク・カルプレスを筆頭に、綿密な取材があぶりだしたのはまるでフィクションのような大活劇。闇市場があり、ハッカー、〝海賊〟、悪徳捜査官が暗躍し、脅迫、密告、ついには騙し討ちで主役が逮捕……。事件の真相に肉薄した決定版。

ジェイク・エーデルスタイン
1993年から日本で活動する調査ジャーナリスト。日本の組織犯罪を熟知したエキスパートと目されており、日米でライターやコンサルタントとして活躍し、〈デイリー・ビースト（Daily Beast）〉、日本の月刊経済誌〈ZAITEN〉などに寄稿している。〈ロサンゼルス・タイムズ〉の特派員もつとめ、12カ国語に翻訳された『トウキョウ・バイス——アメリカ人記者の警察回り体験記』、『トロピカルストーム作戦——ＦＢＩのユダヤ人系日系人の特別捜査官が暴力団組長を米国におびき出すまで（Kindle Single）』の著者でもある。

ナタリー・郷子・ストゥッキー
東京とヨーロッパで活動するフリーランス・ジャーナリスト。日本の通信社である〈時事通信社〉のジュネーブ特派員アシスタントをつとめ、Reconstructing 311の執筆に協力した。〈デイリー・ビースト〉、〈ロサンゼルス・タイムズ〉、そのほかフランスの数誌にも寄稿している。